【内容紹介】
前漢時代、旅芸人の子供であった李延年は国を幾度も脅かしてきた匈奴に挑む武帝に憧れを抱く。
そして、己の貧しく過酷な境遇から弟妹を逃がすために、自ら宦官となり後宮に入った。
身一つしか持たぬ彼はその生来の美貌、詩と舞の才で帝の目に留まることに成功する。
帝は延年の不思議な魅力に惹かれ、延年もまた何物にも脅かされない強さを持つ武帝を慕っていたが、二人の想いが重なることはなかった。
それでも、延年は周囲からは武帝の寵臣と見なされ嫉妬により害され、舞えなくなる。
もう武帝を楽しませることはできなくなったと思い込んだ彼は、やむなく自分の代わりとして妹を武帝に紹介し、彼女は帝の寵愛を受けるようになるが--!?
【著者略歴】
2021年、「恒久の月」が第7回アルファポリス歴史・時代小説大賞で奨励賞を受賞。
2024年、同作を大幅改稿・加筆の上、出版デビューに至る。