図書館・図書館学
芥川龍之介賞、三島由紀夫賞を初めてダブル受賞した文学者にして、稀代の「読書家」大岡玲による珠玉の書評エッセイ! その手が紡ぎ出す巧みな書評は文学であり、鋭い時評でもある--。カフカにマルクス、司馬遼太郎。水滸伝からゴルゴ13……。誰もが名を知る古典や文豪の名作は言うに及ばず、埋もれたノンフィクションの佳作から、各分野の専門家たちの労作、そして古今の人気漫画まで。混迷の時代に読むべき名著・傑作を網羅。そこに展開される話題のレパートリーの多彩さは、博覧強記の作家の面目躍如だ。“読書の達人”が、令和の時代と共に綴った100話に及ぶ手練の時評は、必ずや読んだ者の心と知性を揺さぶるはず! 令和元年5月から始まった「日刊ゲンダイ」誌の連載コラムを元にまとめ上げた本書は、いわば、読書日記の形で語った令和のクロニクルとしての一面を併せ持つ。コロナ禍に始まり、ウクライナ紛争や安倍元首相銃撃など激震が続いたこの3年半に思いを馳せて読み進めれば、時代を照射する著者の深い洞察を改めて感得できることだろう。