日本エッセイ・随筆
【内容紹介】
90歳を超えた歌人の回想エッセイ。
恩師を思い起こし、歌友を訪ねる。順三がいて、啄木がいる。
一瞬、つかの間の邂逅があれば、ついに会えずじまいの人も。
だがそれでも、人生が灯った。
回想は、過去の時系列に規制されながら、同時に「現在」と「未来」を抱えている。
【目次】
はじめに
恩師の幻
パン袋と手塚英孝さん
「山口民報」の思い出
伊藤桂一さんのこと
外岡秀俊さんのこと
北原隆太郎さんのこと
はるかな山河
忘れ得ぬ二人の歌人
岡本文弥師匠のこと
諏訪高島小学校
韮生の山峡-吉井勇の渓鬼荘
啄木とユーラシア
プーシキンへのまなざし/「マカロフ提督追悼の詩」/マカロフと広瀬武夫/トルストイのマカロフ批判と啄木
合同歌集『台風圏』のこと
山川登美子の墓
銀座のキツツキ
錦のこころと思いやり
あとがき
【著者略歴】
碓田のぼる(うすだ・のぼる)
1928年長野県生まれ。歌人。渡辺順三に師事。新日本歌人協会代表幹事など歴任。国際啄木学会、日本民主主義文学会会員。
歌集『花どき』で第10回多喜二・百合子賞受賞(1978年)。
歌集に『歴史』『信濃』『くれない』、評論集に『渡辺順三研究』『火を継ぐもの 回想の歌人たち』『石川啄木と「大逆事件」』『啄木断章』『一九三〇年代「教労運動」とその歌人たち』『石川啄木と労働者-「工場法」とストライキをめぐり』など。