哲学
【内容紹介】
さまざまな世界情勢に接し、核・原爆問題、戦争、環境問題、沖縄、水俣、コロナなどを対象に著者が思索し、書き上げたエッセイ=論考10編。
バラク・オバマの広島演説読解からはじまる本書に通底するのは、国家やメディアやデジタル社会が押し付けてくる虚構に抗し、言語や身体や空気感を通したリアルなコミューンのあり方を模索しようとする姿勢である。
今福龍太という作家の到達点をしるす書。
【目次】
緒言
Prologue 小鳥もカタルーニャ語でさえずる街で バルセロナ 叛コロナ日記
I 負のメフィストフェレス 広島のバラク・オバマ 〈対岸〉からの思想的挑発 フアン・ゴイティソーロ追悼
II 遠漂浪(とおざれ)きの魂、震える群島 石牟礼道子の億土から アジアのなかの沖繩 琉球詩人・川満信一への手紙
III 微気象のくにで すべてのグレタ・トゥーンベリに マスクの時代の仮面 問いつづける身体のために
IV 霧のなかのルイーズ・グリュック 寡黙な声のコミューン 〈白い日〉と歴史 戦火から遠く離れて
Epilogue 霧のコミューン 生成と予兆
Coda 希望の王国
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