絵本
ひとりきりでも満足して楽しくくらしていたのにある日、あたしの家のドアをたたくやつがいた-ー海につきだしたさん橋の先の、ちいさな家に、気のつよい、ちいさな女の人が、ひとりですんでいました。女の人は、海でおよいだり、さかなをつったり、カモメたちにバグパイプをふいてきかせたりして、ひとりきりでも、まんぞくして楽しくくらしていました。ところが、あるあらしの日のこと、ひとりのかいぞくが、ちいさな家にやってきて、「おれは、わるいかいぞくだ。中に入れろ!」といいました。女の人はいいかえしました。「おことわりよ! あたしは、気のつよいちいさな女よ。入れてなんか、やらないよ」ふたりのやりとりは、ずっとつづき……?ニュージーランドの人気作家、ジョイ・カウリーの文章を、佐竹美保が絵本化。二人の登場人物のユーモラスなやりとりが楽しく、さまざまな海の情景が美しい、人気画家・佐竹美保の渾身の絵本。