社会
【内容紹介】
サウナ室にはコミュニティがあった。新型コロナ禍では、人々が集まることが激減した。しかし、ある地方都市では、愉快な現代版「井戸端会議」が意外なところで開かれていた。〈本格派〉社会学者による新しい都市社会学。
「いつの時代にあっても、個人は他者との交際を楽しんできた。しかし、その様相は時代によって変わって来たし、それが生まれる空間も異なっていた。井戸端、銭湯、公民館、酒場、サロン、図書館、こども食堂、そしてスポーツジムのサウナ室。現代社会におけるソシアビリテの特徴は、性別と世代を超えたにところあると言ってよいだろう。(「終章 危機に生きるソシアビリテ」)
【目次】
序 章 水場のアフォーダンス
第1章 ソシアビリテと社会学
1.ソシアビリテとは何か
1. 1 G・ギュルヴィッチ
1. 2 歴史学的転回
2.プレ大衆社会におけるソシアビリテ
3.大衆社会におけるソシアビリテ
3. 1 空間論的観点
3. 2 人間関係論的観点
4.ポスト大衆社会におけるソシアビリテという課題
第2章 マダムとオヤジの会話
終 章 危機に生きるソシアビリテ
1. 行為論(方法論的個人主義)
1. 1 主意主義と機能主義
1. 2 ジェンダーとコケットリー
2. 相互作用論(方法論的関係主義)
2. 1 秩序形成
2. 2 意味世界と心的相互作用
3. 構造論(方法論的集合主義)
3. 1 地域社会におけるスポーツジム
3. 2 自治会と老人会
3. 3 高齢男性の問題
3. 4 宗教と慣習
4. 新しい地域社会のめばえ
付論 新型コロナ禍と社会学理論
1. はじめに
2. リスク社会と受益圏・受苦圏論
3. 経営システムと支配システム
4. メディアと科学システム
5. マシュマロ・テストと信頼
あとがき
【著者略歴】
1960年、静岡県生まれ。1984年、横浜市立大学文理学部文科卒業。1991年、中央大学大学院文学研究科社会学専攻満期退学後、滋賀大学教育学部講師、助教授、教授を経て、現在、名古屋学院大学現代社会学部教授、滋賀大学名誉教授。論文提出によって、2001年、博士(社会学)・名古屋大学。
(主な著書)
『流言の社会学 形式社会学からの接近』(青弓社・2002年)
『ジンメルの社会学理論 現代的解読の試み』(世界思想社・2003年)
『われわれの社会を社会学的に分析する』(ミネルヴァ書房・2020年)