社会
今、僕は自分自身と完全に一つになったような気がする。それ以上の平安がどこにあるだろうか。それが鳥であり、猫であり、虫じゃないか。地に足をつけるとは、このことを言うのではないか。土に聞くまでもない。僕が土になったのだから--。有明海を臨み、雲仙岳を見晴らし、故郷の河内につながる熊本の地で、師匠ヒダカさんの背中を見ながら畑を始めた。日々畑に足を運び、成長する野菜たちと付き合うこと。それは生まれてこのかた、土から遠く離されていたことに気づき、生命を取り戻していく過程そのものだった。「つくる」ための実践的哲学書。ヘンリー・ソロー『森の生活』、現代版誕生!!