日本文学
【内容紹介】
剣一郎、父子の業を断ち、縁をつなぐ
その行脚僧は、満月の夜に起きる不審火を予言した。
五年余りも江戸をさまよう僧の真の狙いは--
「月に魂を奪われた者が凶事をなす」五年前、胡乱な行脚僧の言葉に、風烈廻り与力・青柳剣一郎は戦慄した。
直後、百数十町を焼く大火が起きたのだ。
そして今また、満月の夜に不審な火事が!火盗改の強引な探索が進む中、剣一郎は行脚僧を捜すことに。
そんな折、深川で小間物を商う男が刺殺される。
定廻り同心・植村の探索は、やがて剣一郎が追う事件と重なり……。
【著者略歴】
1947年、東京生まれ。
83年「原島弁護士の処置」で、オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。
87年『絆』で日本推理作家協会賞を、90年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞する。
本書は、正義を貫き、情に篤い風烈廻り与力・青柳剣一郎の活躍を描く、大ロングセラーの人気シリーズ第67弾。
近著に『もうひとつの評決』『偽証法廷』『忘れえぬ』(祥伝社文庫)がある。