日本文学
【内容紹介】
心を閉ざす教え子のため、栄三は“亡き母の声”を届ける。
クスリと笑えてホロリと泣ける、人情時代小説シリーズ第八弾!
「人はいつか死んでしまうのでしょ……」九歳にして達観し、心を閉ざす教え子公太郎の行く末を、手習い師匠の栄三郎は案じていた。
友達と遊びもせず、亡き母との思い出に縋って独り海を眺めて過ごす少年は、父の後添いとなった養母の愛情を、無気力という態度でもって拒んでいたのだ。
そんな公太郎のため、栄三郎は亡き母の愛情深き”声”を取り次ごうと妙策を打つ!
【著者略歴】
1961年大阪市生まれ。
立命館大学卒業後、松竹入社。
松竹株式会社90周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に『浪華騒擾記』が入選。
以後、演劇制作や舞台の脚本、『水戸黄門』等のテレビ脚本を数多く手掛けた。
2010年、『取次屋栄三』(祥伝社文庫)でデビュー以来、20巻の大人気シリーズとなる。
滋味深い人物描写にファンは多い。
著書に「居酒屋お夏」「八丁堀強妻物語」シリーズ『それからの四十七士』他。