国内ミステリー
角川文庫/東北の山中にある<供養の五百羅漢>と呼ばれる謎の石仏群。民俗学者・蓮杖那智は、雪山でのフィールドワークの最中、足を踏み外し、骨折する。那智の代わりに学生のレポートの採点をするはめになった内藤三國は、ある学生のレポートに目を奪われるが……(「秘供養」)。キャンパス内でサークル活動を装って、勧誘をする新興宗教に兄が入会してしまい、洗脳された兄を救おうと奔走する妹。相談を受けた三國は、穏やかで不思議な魅力を持つ主宰者と知り合う。やがて、想像を絶する恐ろしい事件が起きてしまい--(「大黒闇」)。蓮丈那智のもとに届いた一通の手紙。とある村に珍しい“即身仏”が祀られていると言う。生きたまま土中に埋められ、生きながらに仏となる“即身仏”。調査に赴いた那智は、村にすべての記録から抹消された場所があることを知る(表題作)、を含む本格民俗学ミステリー全5篇。