動物学
草思社文庫/すべては「命のバトン」をつなぐために──ゾウ、サケ、セミ、カマキリ、タコ……生命の[最後の輝き]を描く哀切と感動のベストセラー、待望の文庫化!生き物たちはみな、最期のその時まで命を燃やして生きている──数カ月も絶食して卵を守り続け孵化(ふか)を見届け死んでゆくタコの母、地面に仰向けになり空を見ることなく死んでいくセミ、成虫としては一時間しか生きられないカゲロウ、老体に鞭打ち決死の覚悟で花の蜜を集めるミツバチ……。生き物たちの奮闘と哀切を描き感動を呼んだベストセラーの文庫化。いきも生き物イラスト30点以上収載。<目次より>1 空が見えない最期──セミ2 子に身を捧ぐ生涯──ハサミムシ 3 母なる川で循環していく命──サケ 4 子を想い命がけの侵入と脱出──アカイエカ5 三億年命をつないできたつわもの──カゲロウ 6 メスに食われながらも交尾をやめないオス──カマキリ 7 交尾に明け暮れ、死す──アンテキヌス8 メスに寄生し、放精後はメスに吸収されるオス──チョウチンアンコウ 9 生涯一度きりの交接と子への愛 タコ10 無数の卵の死の上に在る生魚──マンボウ 11 生きていることが生きがい──クラゲ12 海と陸の危険に満ちた一生──ウミガメ13 深海のメスのカニはなぜ冷たい海に向かったか──イエティクラブ14 太古より海底に降り注ぐプランクトンの遺骸──マリンスノー15 餌にたどりつくまでの長く危険な道のり アリ16 卵を産めなくなった女王アリの最期──シロアリ 17 戦うために生まれてきた永遠の幼虫──兵隊アブラムシ18 冬を前に現れ、冬とともに死す“雪虫”──ワタアブラムシ19 老化しない奇妙な生き物──ハダカデバネズミ20 花の蜜集めは晩年に課された危険な任務──ミツバチ21 なぜ危険を顧みず道路を横切るのか──ヒキガエル 22 巣を出ることなく生涯を閉じるメス──ミノムシ(オオミノガ)23 クモの巣に餌がかかるのをただただ待つ──ジョロウグモ24 草食動物も肉食動物も最後は肉に──シマウマとライオン25 出荷までの四、五〇日間──ニワトリ 26 実験室で閉じる生涯──ネズミ 27 ヒトを必要としたオオカミの子孫の今──イヌ 28 かつては神とされた獣たちの終焉──ニホンオオカミ 29 死を悼む動物なのか──ゾウ