日本史
【内容紹介】
近世は儒教の時代であり、幕藩体制に取り込まれた仏教は自由を失って形式化し、堕落した--。このような「近世仏教堕落論」が俗説として克服された今日に、多様で複雑な近世仏教思想の〈特質〉と〈画期性〉、そして〈魅力〉を探るための論点を提示。
仏教の教理教学のみではなく、文学作品や西洋人の仏教理解なども視野に収めつつ、儒教や国学・神道などを含めた近世思想全体において、仏教がいかなる位置を占めていたのかを問い直す。
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じつは近世の仏教は豊かな創造力を持ち、さまざまな領域に寄与し、新鮮で価値高い多くの遺産が遺されている。その点で、儒教や国学・神道に引けを取るものではない。(本書「はじめに」より)
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【目次】
はじめに
第一章 近世思想と仏教
第二章 仏教と諸思想の交流
第三章 近世中期の仏教研究──鳳潭を中心に
第四章 女性と仏教
第五章 近世仏伝の世界
第六章 欧米に伝わった近世仏教
第七章 近世から近代へ
初出一覧/あとがき/索 引
【目次】
はじめに
第一章 近世思想と仏教
第一節 近世思想の展開と仏教
第二節 近世思想の合理と非合理
第二章 仏教と諸思想の交流
第一節 ハビアンと『妙貞問答』
第二節 寂本の羅山批判──『神社考弁疑』をめぐって
第三節 東アジアの儒と仏
第三章 近世中期の仏教研究──鳳潭を中心に
第一節 近世中期の仏教思想の展開
第二節 鳳潭──生涯と著作
第三節 鳳潭と性悪説──『起信論註疏非詳略訣』を中心に
第四節 鳳潭の華厳学と普寂の批判
第五節 鳳潭晩年の思想──『華厳入法界品字輪頓証毘盧遮那法身観』をめぐって
第四章 女性と仏教
第一節 近世における女性と仏教
第二節 祖心尼──著作と思想
第三節 橘染子の禅理解
第五章 近世仏伝の世界
第一節 娯楽か信心か──仏伝から近世仏教を考える
第二節 近世後期の仏伝──ブッダの日本化をめぐって
第六章 欧米に伝わった近世仏教
第一節 シーボルト/ホフマンと日本宗教
第二節 『仏像図彙』とベルナール・フランク「お札」コレクション
第七章 近世から近代へ
第一節 来世観と幽界観の展開
第二節 幕末神道の幽冥観──六人部是香の場合
初出一覧
あとがき
索 引
【著者略歴】
1949年山梨県に生まれる。1973年東京大学文学部印度哲学専修卒業。1978年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。専門は仏教学・日本思想史。近年の主な著書に、『日本の近代仏教──思想と歴史』(講談社学術文庫、2022年)、『禅の中世──仏教史の再構築』(臨川書店、2022年)、『死者と霊性の哲学──ポスト近代を生き抜く仏教と神智学の智慧』(朝日新書、2022年)、『日本思想史』(岩波新書、2020年)、『親鸞──主上臣下、法に背く』(ミネルヴァ書房、2016年)などがある。
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<<日本史>> 近世思想と仏教 / 末木文美士
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商品の詳細
JAN | 9784831862792 | 管理番号 | BO4003161 | 発売日 | 2023/09/22 |
定価 | 4,950円 | メーカー | 法藏館 | 型番 | - |
著 | 末木文美士 | ||||
カテゴリ | 本 ≫ 書籍 ≫ 歴史・地理 ≫ 日本史 |
備考
